私は、中国語の予備知識0の状態から奇跡的にHSK6級にたったの半年で合格することができましたが、そのことを話すと「たったの半年でHSK6級に合格なんて絶対ムリ!嘘だろ!?」とよく言われます。
そして、合格までの半年間に行ってきた学習内容を細かく話すと、「いや、こんな短期間の中で、そんなに濃い内容の学習を独学でするなんて絶対ムリ!嘘をつくなよ!」ともよく言われます。
そして、そのように「絶対ムリ」「嘘をつくな」と言ってくる人に「なぜムリだと思うのか」と訪ねると、実際に学習を始める前からイメージだけで「自分にはそんな大変な学習はできっこない」と自己否定の考えを無意識のうちに植え付けていることがわかったのです。
また、HSKの学習をして実際に受験したけど落ちてしまった人の中も、「短期間の学習で合格は絶対ムリ!オレは実際に独学で受験して落ちたからわかる!」と言ってくる人もいます。
確かに自分なりに努力して合格できなかったら、「絶対ムリ」と思ってしまっても仕方がありません。ですが、そう考える前に、その「自分なり」の学習スタイルが本当に「自分に適した学習スタイル」だったのかということを考えることも必要でしょう。
私が半年間の独学でHSKに合格することができた要因は大きく分けて3つあると思っています。
その3つのことについて、あなた自身がよく考えてから学習に臨むことができれば、短期間でのHSK合格に一歩近づけるのではないかと思います。
では、短期間でのHSK合格の3つの要因について1つずつ見ていきましょう。
要因その1 中国語漬けの生活スタイルを徹底していた
HSKの独学の期間、わたしはまだ日本にいましたが、少しでも空いた時間があればHSKの問題集を開いて勉強していました。
また、私はトイレタイムはそれほど長い方ではありませんが、短い時間でも有効活用するために、トイレの壁に、自分が不得意な中国語の発音を書いた紙を貼って、毎回トイレに入るたびに練習していました。
ちなみに、私が苦手だった中国語の発音は「in」と「ing」の使い分けと、「an」と「en」の使い分け、そして「ang」と「eng」の使い分けだったので、これらを紙に書いてトイレの壁に貼っていました。
トイレと同様、お風呂の壁には、よく使いそうな成語をまとめてA3サイズの紙に印刷したものをラミネート加工して貼り、毎回、お風呂タイムのときに暗誦していました。
そして、気を抜くと一番無駄に時間が過ぎてしまうのが食事タイムです。食事のときはついついテレビを観たりして学習から離れてしまいがちになりますが、私の場合、テレビを観る代わりにYouTubeで中国語学習の動画を見ていました。
中国へ留学している人などには、良く知られている中国語のTV番組に「快乐汉语」というのがあるのですが、この番組をYouTubeで見ることができます。
この番組は中国で制作されている外国人のための中国語教育番組で、中国での日常生活を送る外国人留学生のストーリーとなっており、セリフはすべて中国語になっていてとても勉強になります。
YouTubeでこの番組を見たい場合は、「快乐汉语」で検索するとあまり出てきませんが、英語で「Happy Chinese」で検索するとたくさん出てくるので、興味がある方は検索してみてください。
あとは、移動中の時間の過ごし方ですが、私の場合、電車やバスなどの通勤ではなく、仕事ではマイカーを使用していたので、HSKの問題集についているCDを社内で聞いていました。
このようにして、とにかく隙間時間を徹底的に利用して中国語の独学に励んでいました。
要因その2 中国語のインプットとアウトプットを両立していた
その日の学習の終わりに、 インプットした単語や例文を使って、自分なりに例文を作り声に出すということを毎回繰り返しました。
例えば「吃(食べる)」という単語を学習したら、「我在吃饭。」「他已经吃完饭了。」「你还没吃早饭吗?」など主語や目的語を変えたり、否定形や疑問形に変えたりしてアウトプットをできるだけ速くかつ沢山行うことに専念しました。
アウトプットの作業のとき、私は紙に書くというようなことは一切行わず、とにかく「頭の中で考える→声に出す」という瞬発力を鍛えるように心がけました。
そして、このアプトプット作業は、寝る前と朝起きた時、布団の中にいる時に行いました。
要因その3 「HSKに落ちたらどうしよう」というような結果を気にしていなかった
普段はものすごく実力があるのに試験の本番当日に緊張してしまって、普段通りの力が発揮できないという人がいると思います。
私もどちらかというと本番に弱いほうで、学生のときは試験のたびに緊張していました。
なので、本番で緊張してしまう人の気持ちをよく理解できるのですが、今回のHSK受験に関しては、この試験に合格しようが落ちようが、何ら他に与える影響がないこともあり、試験当日も全く緊張せずにすみました。
中国語の勉強は仕事で必要となったため始めましたが、HSKの受験については、誰かから受けるように強制されたわけではなく、私が自分の判断で受けようと決めたものであったので、「やらされている感」が全くなかったのが良かったのだと思います。
むしろ、受験会場に入った時は、自分の中国語の能力がどれくらいなのか知りたいというワクワク感でいっぱいでした。
結果を気にせずに済んだことで、普段どおりの落ち着いた状況でHSKを受験することができたのです。
また、このような気持ちになれたのは、試験当日までに精一杯学習したという「やりきった感」があったからだと思うので、やはり、日ごろの学習に対する姿勢が重要なのではないかと思います。
以上が、HSKに短期間で合格するための3つの要因です。
上記の内容を読んでみて、別に短期間で合格するための要因じゃないのでは?と思った人もいると思いますが、最後に付け加えると短期間でHSKに合格するためには、朝起きてから寝るまでの時間を徹底的に使いこなし学習密度を濃くすることが大切です。
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